2026年3月14日(土)と15日(日)に、東北学院大学(土樋・五橋キャンパス)で「日本体育・スポーツ経営学会 第49回学会大会」が開かれました。この大会で、総合経営学部・長谷川ゼミの学生たちが学生研究発表を行いました。スポーツ・金融・税務・経営という分野から、自分が興味を持ったテーマを選び、約1年かけて研究を行った成果が学生研究発表につながりました。
長谷川ゼミ生・聴講生の研究発表


サイゼリヤにおけるスポーツビジネス活用の検討
発表者:広瀬椋さん・森田祥平さん
広瀬椋さんのコメント:新型コロナウイルスの影響を大きく受けた飲食業とスポーツ産業を組み合わせることで、新しい企業価値を生み出せないかというテーマに興味を持ち、3年生の1年間を通して研究に取り組みました。研究では株式会社サイゼリヤを題材に、スポーツ産業とどのように連携すれば相乗効果が生まれるのかを検討しました。その中で、『低価格、高品質、健康志向』といった特徴を活かした商品開発を行うことで、スポーツ産業との相乗効果が期待できるのではないか、という仮説を立てて分析を進めました。この研究は就職活動にも役立ち、楽しく取り組むことができました。学会での発表も自信につながり、秀明英光高校からの親友と一緒に準備した経験は、学生生活の良い思い出になりました。今後も、秀明大学の学生として研究成果を外部に発信し続けたいと考えています。また、今後の課題として、聞き手により伝わりやすいパワーポイントの構成を意識した発表ができるように改善していきたいと思っています。
千葉銀行のスポーツタウンブランディングの検討 ―金融機関とスポーツとまちづくりについてー
発表者:野村真弘さん
野村真弘さんのコメント:金融機関とまちづくりが深く関わっていることを知り、このテーマに興味を持って研究を進めました。特に、金融機関がスポーツを通じたまちづくりに関わることで、どのようなメリットが生まれるのかを中心に考察しました。本報告でとりあげた千葉銀行の「銚子スポーツタウン」は、特定のチーム支援にとどまらず、地域全体を巻き込んだまちづくり型の取り組みであり、スポーツを通じて行政・地元企業・住民が連携し、交流人口の増加や地域経済の活性化を目指している点が特徴的でした。今回の研究はケーススタディが中心だったため、体系的な理論構成をつくるにはまだ不十分だと感じました。4年生では、より多くの具体的な事例を調べ、研究の幅を広げたいと思っています。私も将来は、金融機関に就職し、まちづくりに貢献したいという思いが高まり、研究を継続したいと思いました。


馬券の払戻金に係るタックス・リスク・マネジメントの検討 ―雑所得・一時所得の判断基準―
発表者:牛嶋倖志郎さん、伍嶋一翔さん、松岡拓真さん
伍嶋一翔さんのコメント:馬券の払戻金は一時所得と雑所得のどちらに分類されるかによって、支払う所得税の額が大きく変わることを学びました。一般的に、一時所得は「担税力(税金を払う力)」が小さいと考えられるため、雑所得よりも税額が少なくなる傾向があります。一時所得の場合、当たり馬券の購入費用のみ必要経費が認められます。雑所得の場合、購入したすべての馬券の購入費用が必要経費として認められます。このため、はずれ馬券の購入費用が大きい場合は、雑所得の必要経費が大きくなるため、所得税が小さくなることがあります。このように、娯楽として購入した馬券の払戻金の取扱いが、複雑であることを知って、所得税の奥深さを実感しました。タックス・リスク・マネジメントが、一般の納税者にも身近な問題であることを伝えたかったのですが、発表時間の都合で十分に説明できなかった点が心残りでした。今後は、タックス・リスク・マネジメントをより身近に感じてもらえるような研究を進めたいと思っています。
融資業務における社会的責任の検討 ―私募債を用いたスポーツ選手等への寄附・寄贈―
発表者:津森海玖さん
津森海玖さんのコメント:信用保証協会がどのような業務を行っているのかに興味を持ち、私募債を用いてスポーツ選手等への寄附や寄贈を行っていることを知り、社会的責任を果たそうとする取り組みについて研究を進めました。信用保証協会は保証料率の割引という制度的インセンティブを付与することによって企業の社会貢献型私募債発行を促進し、地方銀行は寄附型私募債という商品設計を通じて地域スポーツ振興に寄与しています。両者は役割こそ異なるものの、連携することでより大きな社会的効果を生み出していることを発表しました。信用保証協会は、中小企業を対象に保証業務を行うため、私募債について研究しましたが、公募債についての検討を行うべきではないかという意見もあり、今後は、公募債の研究も行いたいと思います。


介護業界の持続可能性とそれに伴うスポーツに関する研究
発表者:三浦綾斗さん
三浦綾斗さんのコメント:介護保険制度の構造的課題とスポーツ科学の知見を統合し、介護予防の経営的意義を明らかにすることを目的として研究を行いました。現状の介護事業の実情は、給付費総額が拡大する一方で、事業者側の実質的収益性は改善しにくいという構造が生じています。制度に依存した経営はリスクが大きいため、重度化を防ぐことで給付費を安定させることが重要だと考えました。このため、要支援段階における運動習慣の確立によって、運動介入を単なる機能改善手段ではなく、「介護経営の持続可能性を支える戦略的資源」として再定義することが必要だと結論付けました。学会では他大学の先生から詳しい質問や意見をいただき、とても勉強になりました。介護経営の研究意欲が高まり、4年生では介護経営に関する卒業論文を書きたいという思いが強くなりました。
長谷川記央非常勤講師のコメント
長谷川ゼミから3組、聴講生から2組の学生が、日本体育・スポーツ経営学会で研究発表を行いました。学生たちは、就職活動・大学院入試を意識した研究テーマを自ら見つけ出し、探求することによって、大学で何を勉強したのか、より具体的に示すことができたと思います。今年度は、長谷川ゼミに関わる9名の学生が学外活動に取り組み、研究成果を発信できたことを、担当教員として誇りに感じています。新しく長谷川ゼミに加わる新3年生の皆さんにも、自分が向き合う研究テーマを見つけて、仲間と共に切磋琢磨することを期待しています。
