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千葉県がんセンターとの共同研究成果を国際ジャーナルに発表

本学総合経営学部で経済学や統計学を担当する寺田好秀助教が、千葉県がんセンターとの共同研究の成果を、国際的な学術誌「Cancer Epidemiology」に発表しました。

千葉県がんセンターは、千葉県が運営するがん診療連携拠点病院であり、がん(悪性腫瘍)対策の中核を担う病院兼研究所です。

論文情報

タイトル

Right versus left lung cancer: Findings from the Japanese cancer registry database
(Cancer Epidemiology, Vol.97, 102870, August 2025)
DOI: 10.1016/j.canep.2025.102870

研究の概要

本研究は、肺がんの「左右差(laterality)」―右肺と左肺での発生頻度や予後の違い―に着目した疫学解析です。がんの左右差には、解剖学的・遺伝的・環境的要因が複雑に関与すると考えられており、病態の解明や個別化医療の発展に資する重要な知見が得られました。

使用データ

解析には、千葉県がんセンターが管理する千葉県がん登録データ(2013~2020年)を使用しました。このがん登録は「がん登録等の推進に関する法律」に基づく法定登録制度であり、県内すべての新規がん症例を網羅する高精度・高信頼性のデータです。

主な結果

36,359例の一次性肺がん患者を解析した結果、右肺がんは全体の約60%を占め、左肺がんより多く発生していました。Cox比例ハザードモデルによる調整解析では、右肺がんは左肺がんに比べてわずかに高い死亡リスク(HR=1.05、95%CI:1.02–1.08)を示しました。特に男性では有意な差(HR=1.08)が認められた一方、女性では有意差は認められませんでした。

学術誌「Cancer Epidemiology」掲載記事

本論文が学術誌「Cancer Epidemiology」へ掲載されました。掲載内容はScienceDirect(英語版)サイトにて閲覧可能です。

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